令和元年度 大山記念病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1 20 36 49 142 189 399 627 828 387

2019年度の一般病棟入院患者様について、入院年齢区分別に集計しています(入院時満年齢)。 少子高齢化が顕著な当地域の年齢構成を反映して、70歳以上の高齢者の割合が69%を占めており、また80歳代の患者数が昨年度比1割近く増加傾向です。 自院巡回バス・デマンドバスが、運転されなくなった近隣の高齢者にとって頼れる存在となっていることがここに反映されています。  午後7時まで受付ける夜間診や土曜日午後・日曜日午前の診療も地域の皆様に浸透し、自院救急車も運用しており、救急体制の強化にも努めています。また、地域包括ケア病棟・回復期リハビリテーション病棟も整備し、チーム医療で在宅への復帰を支えています。 

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 60 28 20.84 3.33 82.28
100380xxxxxxxx 体液量減少症 53 22.79 9.13 3.77 85.81
0400801499x001 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 34 18.91 13.48 5.88 85.74
0400801499x002 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 33 22.64 15.17 0 88.03
0400801499x012 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 25 29.24 18.27 4 87.68

当院は一般急性期病棟100床、地域包括ケア病棟49床、回復期リハビリテーション病棟50床のケアミックス病院です。 誤嚥性肺炎・その他の肺炎患者様は80歳以上の高齢者で基礎疾患(高血圧、糖尿病、心不全、脂質異常症など)を持っておられることが多いため重症化しやすく、重症度の高い肺炎は平均年齢も高くなっています。 また地域包括ケア病棟での入院日数もカウントされるため在院日数も長くなります。そして肺炎を契機に廃用となり、療養型病院に転院されるケースが少なからずあります。

循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx99000x 心不全 79 23.82 17.66 0 84.54
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 73 4.73 4.47 0 73.25
050050xx99200x 狭心症、慢性虚血性心疾患 65 2.98 3.15 0 72.74
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 52 2.96 3.01 5.26 72.19
050130xx97000x 心不全 36 21.81 23.94 0 77.83

狭心症に対しての冠動脈インターベンション(PCI)目的と心臓カテーテル検査目的の入院が中心となっています。心不全での入院が多く、平均在院日数が全国平均を上回っていますが、地域包括ケア病棟への転棟を除いた急性期平均では14.8日と短い日数で退院ができております。当院はクリニカルパスを活用しており、在院日数の短縮が図れています。高齢化に伴い、狭心症に次いで心不全患者様も多くなっています。

外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 71 2.03 2.85 0 67.38
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) 26 5.81 4.96 0 71.65
060241xx97xxxx 手術・処置等の合併症 20 3.65 5.78 0 67.80
161070xxxxx00x 痔核 15 5.73 3.56 0 66.53
060335xx02000x 薬物中毒(その他の中毒) 10 15.9 7.30 0 74.20

令和元年度はは昨年度引き続き下肢静脈瘤外来の手術が71件となり、殆どが1泊2日のパスで順調な経過を辿られています。 次に鼠径ヘルニアの入院が続きます。殆どの方の入院日数は全国平均に近いのですが、一部併存症悪化により長引いた患者様があったため今回は平均値が上がってしまいました。 続いてシャントトラブル・痔核入院となります。 薬物中毒(その他の中毒)は、蜂刺症・マムシ咬症などでアナフィラキシーショックを起された救急患者様がこちらに含まれています。

整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 71 38.58 19.61 11.27 81.42
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 60 58.73 26.30 13.33 84.75
160760xx97xxxx 前腕の骨折 26 15.65 5.68 0 79.81
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 23 46.61 24.26 0 73.91
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 19 32.79 21.39 0 67.32

高齢者の転倒が原因となる症例が大半を占めています。 胸・腰椎圧迫骨折では保存加療、大腿骨骨折の場合は手術症例が多く、脊柱管狭窄症に関しては日本脊椎脊髄病学会指導医が当院に在籍しており脊椎固定術や椎弓形成術を実施しております。在宅復帰に向け回復期リハビリテーション病棟へ転棟することが多く、骨折を機にADLの低下を招くことがないよう、多職種協働で患者様をサポートしています。 また、積極的に救急搬送患者様の受け入れを行っていますが、手術加療になるとかかりつけ病院を希望される方も多く、その場合は医療連携室がスムーズな転院に向けての調整を行っています。
DPC対象期間での在院日数は、胸・腰椎圧迫骨折(手術なし)8.9日、大腿骨頸部骨折(手術あり)17.6日、膝関節症12.7日、腰部脊柱管狭窄症17.7日と全国平均より大幅に短くなっています。

皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 23 18.61 12.51 0 76.57
080250xx99x0xx 褥瘡潰瘍 - - 24.71 - -
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 - - 8.98 - -
080090xxxxxxxx 紅斑症 - - 10.07 - -
080110xxxxx0xx 紅斑症 - - 29.50 - -

蜂窩織炎の悪化による入院が多くみられます。 内科・外科的疾患と比べ病状を軽くみられる患者様が多く、かなり悪くなってからの受診となり、結果的に治療にも時間がかかります。急性期の平均在院日数は12.18日で重傷の患者に関しては地域包括ケア病棟へ転棟し治療を継続しているため平均在院日数が18.61日となっております。

泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 81 22.8 12.58 6.17 83.89
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 17 7.65 8.65 0 77.88
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍 14 2.86 2.53 0 70.57
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 12 5.42 5.62 0 62.83
110310xx97xx0x 腎臓または尿路の感染症 - - 24.42 - -

泌尿器科での尿路感染症を発症される寝たきりの高齢者は前年度の倍近い患者数となっております。また前年同様の水準で前立腺の疾患が続きます。質の高い医療に他院からの信頼も厚く、紹介患者様が増えています。

婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120220xx01xxxx 女性性器のポリープ 33 3 2.96 0 42.24
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 14 9.21 9.87 0 47.29
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 12 4.33 6.16 0 48.75
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 - - 3.20 - -
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 - - 6.28 - -

婦人科健診にも力を入れている当院では健康管理センターを併設しており健診で早期に症例を発見することで、身体への負担ができるだけ少ない治療方法を提案させて頂くことが可能となります。またクリニカルパスの活用により標準的な入院日数に繋がっています。 

消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 55 2.25 2.67 0 65.07
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 25 14.84 10.08 0 84.56
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 12 7.75 8.52 0 73.67
060102xx02xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 10 10.2 10.10 0 78.8
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 - - - - -

消化器内科専門医による1泊2日のポリープ切除入院が半数以上を占めています。壮年世代の方も多いため平均年齢は低く、平均在院日数も少なくなっています。 また胆嚢・胆管結石、胆管炎に対しての内視鏡的手術も多く行っています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 15 2 4 2 0 1 1 8
大腸癌 9 11 11 3 0 0 2
乳癌 7 4 5 4 0 2 1 8
肺癌 0 0 0 0 1 0 1 8
肝癌 0 0 1 0 1 0 2

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

疾病予防にも力を入れている当院では、健診で早期癌の発見に力を入れています。 そのため、胃癌・大腸癌・乳癌など健診で発見されやすい癌患者数が多くなっています。当院での治療はもちろんですが、専門病院での治療後のフォローアップや急な時にも安心して受診出来るよう、他院とも密接に連携を図りながら、治療を行っています。 

成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 26 9.54 58.46
中等症 119 22.4 84.7
重症 23 27.22 86.13
超重症 13 21.54 85.38
不明 0 0 0

成人市中肺炎とは、成人(20歳以上)の方で、病院外で日常生活をして発症した肺炎のことを指します。 平均年齢が上がるほどに重症度も増し、また在院日数も長くなる傾向にあります。

脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 33 47.03 85.64 4.55
その他 11 82.27 80.73 4.55

ICD10とは、世界保健機関(WHO)でコード化された傷病に関する分類のことをいいます。
当院での脳梗塞のICD10では脳梗塞が最も多く、その約7割が発症後3日以内で入院されます。当院では発症後の速やかな治療と早期のリハビリテーション介入に、特に力を入れています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) - - - - -
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -

様々な疾患から寝たきりとなり経口摂取不良となる高齢者が一定数いており、胃瘻造設・ポート造設などの医療行為も昨年同等の数値となっています。

循環器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 73 2.78 6.08 0 75.12
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 31 1.87 15.84 0 77.58
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) 26 1.46 2.92 0 73.73
K5491 経皮的冠動脈形成術(その他) 15 0.07 25.07 0 70.4
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) - - - - -

狭心症に対する「経皮的冠動脈ステント留置術」・「経皮的冠動脈形成術」,下肢閉塞性動脈硬化症に対する「四肢の血管拡張術・血栓除去術」が主な手術となりますが、急性心筋梗塞に対しても術前日数が0.07とオンコール体制による迅速な手術を行っています。

外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K617-2 大伏在静脈抜去術 49 0 1.02 0 68.24
K616 内シャント設置術 48 1.92 12.5 10.42 78.56
K7435 痔核手術(脱肛を含む)(根治手術(硬化療法)を伴う) 42 0.05 1.64 0 61.24
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 27 6.04 10.19 0 71.04
K6335 鼠径ヘルニア手術 22 1.05 3.86 0 73.82

近隣病院からのシャントトラブル対応を受け入れているため、「内シャント設置術」が多く、また昨年同様に下肢静脈瘤に対する「下肢静脈瘤血管焼灼術」、「大伏在静脈抜去術」が上位にあります。また院内で痔核手術が1泊2日で可能ですと告知したところ、上位3位に入った事により患者様のニーズが高かった事が窺えます。

整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 56 4.18 51.88 10.71 81.45
K0821 人工関節置換術(膝) 50 5.4 47.74 2 74.68
K0462 骨折観血的手術(前腕) 23 2.43 22.78 0 71.43
K1423 骨折観血的手術(前腕) 19 1.89 26.47 0 64.05
K0463 骨折観血的手術(足) 16 2.31 26 0 57.81

転倒による骨折が多数を占めるため、下肢骨折症例が上位になっています。また腰部脊柱管狭窄症に対する脊椎固定術、椎弓切除術の件数も昨年より増えております。術後のリハビリが重要となりますので、回復期リハ病棟に転棟することが多く入院日数は長くなります。

泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除術(ホルミウムレーザー) 16 2.31 4.69 0 78.31
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 11 13.18 23.09 0 66.45
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 11 2.18 21.64 0 80.36
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 10 1.5 12.5 0 72.9
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 10 2.9 16.7 0 77.9

現在泌尿器科ではレーザーを使用した低侵襲手術が主流となっています。 前立腺切除・結石除去など患者様の負担が少なく早期回復が見込めるため、入院期間も短くなりました。

婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K872-3 子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術 32 1 1 0 44.03
K877 子宮全摘術 18 1 7.17 0 48.61
K873 子宮鏡下子宮筋腫摘出術 - - - - -
K867 子宮頸部(腟部)切除術 - - - - -
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 - - - - -

センシティブな婦人科疾患ですが、年齢・症状などを勘案したうえで最適な治療を行っています。子宮全摘に至る前に早期での手術となるよう早期発見に努めています。

消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 56 0.32 1.29 0 66.21
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 11 0.55 7 0 74.27
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 10 1.7 17.5 0 83
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 10 0 1.5 0 65
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 1 0.04
異なる 6 0.23
180010 敗血症 同一 9 0.34
異なる 14 0.53
180035 その他の真菌感染症 同一 1 0.04
異なる 0 0
180040 手術・処置等の合併症 同一 73 2.76
異なる 1 0.04

手術処置等の合併症について、当院では人工透析を行っており、透析シャント部の狭窄や閉塞がこちらに分類されるため、症例数が多くなっています。透析シャント部のトラブルについては、当院の患者様だけでなく、近隣病院や医院からの紹介も多く受けています。手術や処置などを行う際には合併症をおこさないよう職員一同細心の注意を払い施行します。

更新履歴
2020/9/8
機能評価係数2の保険診療指数における令和1年度病院情報を公表しました