外科・総合診療科の特長

当科では胸部(気胸)、消化器疾患(消化管、肝胆膵)、肛門疾患(痔核など)、乳腺疾患、下肢静脈瘤などの疾患に常勤医師6名と非常勤医師で通常診療だけでなく時間外の救急疾患に対しても対応しています。
消化器疾患に関しては良性悪性に関わらずガイドラインに準じて治療を行っています。
手術に関しては腹腔鏡下手術を第一選択としています。

三田市以北では数少ない内視鏡外科学会技術認定医が当科では3名在籍し、最新の腹腔鏡手術器具を導入し、安全な手術を行っています。
特に大腸疾患に関しては経験、執刀症例が多く、肛門温存手術(超低位前方切除、内肛門括約筋切除(ISR))や側方郭清術は腹腔鏡下に対応可能です。大腸癌の再発に対する集学的治療や拡大手術も積極的に行っています。
肝胆膵の悪性疾患(膵臓癌、肝臓癌、胆管癌など)に関して経験豊富な専門医が在籍しておりますので、腹腔鏡手術や化学療法など幅広く対応可能です。

悪性腫瘍(がん)の治療

日本では2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死亡するといわれています。「がんになったら誰もが死を待つほかない」と思われるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。 現在は検査法や治療法が進み、早期に発見し、早期に治療すれば「がんは治せる病気」になっています。がん死亡数の順位(2022年)では肺、大腸、胃、すい臓、肝臓となっております。

胃がん胃

当院では、事前のリスク診断にて内視鏡的切除可能である場合は、内科で内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行います。
外科的手術の適応となった場合、病変の局在、胃の入口(噴門)に近いか、出口(幽門)に近いか、進行度(ステージ)により、胃の切離範囲が決まります。胃が残る幽門側胃切除術、噴門側胃切除術や胃が残らない胃全摘術があります。GIST(間葉系腫瘍)などではその腫瘍部分だけをくり抜くような局所切除を行います。胃を切離したあとの再建方法(食べ物の通り道を作り直す)にはそのまま食道と胃、胃と十二指腸を吻合する方法や、小腸を利用する方法があります。当院では低侵襲な腹腔鏡下手術を積極的に行っております。

大腸がん大腸

結腸がんではその腫瘍の局在とリンパ節郭清の範囲によって、回盲部切除術、右半結腸切除術、横行結腸切除術、左半結腸切除術、下行結腸切除術、S状結腸切除術等を行っています。低侵襲な腹腔鏡下手術を標準術式としております。従来腸閉塞を契機に見つかった場合、全身状態の悪い中、緊急手術(開腹手術)を行い、人工肛門造設が不可避でありました。当院ではイレウス管、大腸ステント等で腸管内減圧をはかり、可能な限り待機的手術(腹腔鏡下手術)を行います。それにより緊急手術のリスクや人工肛門造設を回避でき、術前にがんの進行度も正確に把握することができます。
直腸がんでは根治性を担保しつつ、神経・機能温存、肛門温存に努めております。視野の狭い骨盤内での手術だからこそ、腹腔鏡下手術が有用であると考えています。従来直腸切断術(永久人工肛門)となっていたような下部直腸がんにおきましても、進行度に応じて超低位前方切除術や内肛門括約筋切除を伴う(ISR)直腸切除術を行うことで、永久人工肛門造設を回避することができます。術前に放射線治療と化学療法を併用するような、集学的治療を行う場合があります。

肝臓がん肝臓

外科的切除(開腹手術、腹腔鏡手術)、ラジオ波焼灼術、動脈塞栓療法、化学療法の中から、診療ガイドラインに準拠して患者さんの病状にあった最適と思われる方法を選択して治療にあたります。当院には多くの腹腔鏡下肝切除の経験を持つ医師が在籍しておりますので、低侵襲な腹腔鏡下手術を積極的に行っております。
大腸がん、胃がん、膵臓がんなどの消化器がんは、血液の流れに乗って、時として肝臓に転移します(進行大腸がんの場合、その20〜30%に肝転移が起こると言われています)。多くの患者さんでは化学療法や外科的切除などが行われます。特に大腸がんの肝転移では、腫瘍の大きさ、個数、場所によって外科的切除が可能な場合には、手術によって良好な生存率が得られることが示されています。一方、肝転移の増大により肝機能障害や黄疸が出現するまで状態が悪化すると、多くの場合、緩和治療を勧められることになります。

膵(すい)がんすい臓

膵がんは「がんの王様」と呼ばれるほど、難治性で、治療が難しい病気です。その理由として症状が出にくく早期発見が難しいことや肝臓や肺、腹膜、リンパ節などへの転移が早く手術が難しいことが挙げられます。膵臓がんの治療では、手術でがんを切除できると考えられる「切除可能」である場合、できる限り手術をします。手術には、膵頭すいとう十二指腸切除術、膵体尾部切除術、膵全摘術があります。当院には多くの腹腔鏡下膵切除の経験を持つ医師が在籍しておりますので、低侵襲な腹腔鏡下手術を積極的に行っております。
手術方法により異なりますが、一般的には、膵体尾部よりも膵頭部の切除のほうが、腸とつなぎ合わせる部位が多いため、回復に時間がかかります。また、がんの位置によっては、腸の動きを調整する神経も一緒に切除するため、下痢を起こしやすくなります。切除する膵臓の範囲によっては、糖尿病や消化吸収障害などが起こり、治療が必要になることがあります。

担当医師

会長

大山 正 おおやま ただし 医師

専門医・認定など
  • 医学博士

救急診療科部長兼、外科医長

加来 誠一郎 かく せいいちろう 医師

専門医・認定など
  • 消化器外科、一般外科

理事長、院長

大山 正人 おおやま まさと 医師

専門医・認定など
  • 日本外科学会専門医・指導医
  • 日本消化器外科学会専門医・指導医
  • 日本内視鏡外科学会 技術認定医(消化器・一般)
  • 消化器がん外科治療認定医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 四段階注射法講習修了

心臓血管外科医長

福田 和歌子 ふくだ わかこ 医師

専門医・認定など
  • 一般外科、下肢静脈瘤血管外科
  • 日本外科学会 専門医
  • 日本脈管学会 専門医
  • リンパ浮腫治療学会 リンパ浮腫療法士

外科部長

中平 伸 なかひら しん 医師

専門医・認定など
  • 日本外科学会専門医・指導医
  • 日本消化器外科学会専門医・指導医
  • 日本肝胆膵外科学会肝胆膵外科高度技能指導医
  • 日本内視鏡外科学会技術認定医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医
  • 日本がん治療認定医
  • ICD制度協会認定インフェクションコントロールドクター
  • 日本外科感染症学会外科周術期感染管理認定医・教育医
  • 日本医師会認定産業医

外科手術・治療情報データベース事業へのご協力のお願い

当院では、2012年1月1日より、NCD(National Clinical Database)の「外科手術・治療情報データベース事業」に参加することにいたしました。この事業は、日本外科学会を始め国内多数の学会により立ち上げられ、国内の手術・治療情報を集計・分析することで医療の質の向上、治療成績の改善をめざすものです。
参加にあたり、当院での外科手術データをNCDに登録することになります。これらの情報は患者様個人を容易に特定できるものではありませんが、重要な個人情報ですので厳重に保守、管理されています。登録については患者様の自由な意思によりますので、拒否することができますので担当医までお知らせください。その場合も、診療上不利益となることは一切ございませんのでご安心ください。

基本の診療時間

午前診
9:00~12:00
(月~日)
午後診
15:00~17:00
(月~土)
夜間診
17:00~19:00
(月~金)受付終了18:30
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