令和２年度 大山記念病院 病院指標

当院は一般急性期病棟100床、地域包括ケア病棟49床、回復期リハビリテーション病棟50床のケアミックス病院です。　誤嚥性肺炎・その他の肺炎患者様は80歳以上の高齢者で基礎疾患（高血圧、糖尿病、心不全、脂質異常症など）を持っておられることが多いため重症化しやすく、重症度の高い肺炎は平均年齢も高くなっています。　また地域包括ケア病棟での入院日数もカウントされるため在院日数も長くなります。　そして肺炎を契機に廃用となり、療養型病院に転院されるケースが多くなっています。

狭心症に対しての冠動脈インターベンション（PCI）目的と心臓カテーテル検査目的の入院が中心となっています。心不全での入院が多く、平均在院日数が全国平均を上回っていますが、地域包括ケア病棟への転棟を除いた急性期平均では14.8日になります。また、クリニカルパスの活用により、在院日数の短縮が図れています。高齢化に伴い、狭心症に次いで心不全患者様も多くなっています。

2020年度は痔核の手術が40件となり、殆どが2泊3日のパスで順調な経過を辿られています。　次に下肢静脈瘤の入院が続きます。殆どの方の入院日数は全国平均に近いのですが、一部併存症悪化により長引いた患者様があったため今回は平均値が上がってしまいました。 2020年度からは大腸癌の手術件数が13件と消化器疾患が増加傾向にあります。

高齢者の転倒が原因となる症例が大半を占めています。　胸・腰椎圧迫骨折では保存加療、大腿骨骨折の場合は手術症例が多く、脊柱管狭窄症に関しては日本脊椎脊髄病学会指導医が当院に在籍しており脊椎固定術や椎弓形成術を実施しております。在宅復帰に向け回復期リハビリテーション病棟へ転棟することが多く、骨折を機にADLの低下を招くことがないよう、多職種協働で患者様をサポートしています。　また、積極的に救急搬送患者様の受け入れを行っていますが、手術加療になるとかかりつけ病院を希望される方も多く、その場合は医療連携室がスムーズな転院に向けての調整を行っています。
DPC対象期間での在院日数は、胸・腰椎圧迫骨折（手術なし）8.9日、大腿骨頸部骨折（手術あり）16.９日、膝関節症11.3日、腰部脊柱管狭窄症21.45日となっています。

脳梗塞の患者様の治療は急性期では点滴・リハビリを行い、安定されたら回復期リハビリテーション病棟へ転棟して「自宅で元通りの生活に戻りたい」という患者様の思いを病棟スタッフ一同で支えています。　手術が必要な症例に対しては、近隣医療機関に紹介転院を行います。　もともと自立されていた方は、早期の加療により、自宅での生活に戻れる方が多いのですが、梗塞を繰り返された方は障害も重くなり、転院や施設入所となる方も多くなります。そんな時も医療連携室が患者様・ご家族様の思いをくみ取りながら最良の方法で調整を行っています。

蜂窩織炎の悪化による入院が多くみられます。　内科・外科的疾患と比べ病状を軽くみられる患者様が多く、かなり悪くなってからの受診となり、結果的に治療にも時間がかかります。

尿路感染症を発症される寝たきりの高齢者は前年度同様多いですが、前立腺の疾患での入院患者様も増加傾向にあります。質の高い医療に他院からの信頼も厚く、紹介患者様が増えています。

婦人科健診にも力を入れている当院では、健診で早期に症例を発見することで、身体への負担ができるだけ少ない治療方法を提案させて頂くことが可能となります。またクリニカルパスの活用により標準的な入院日数に繋がっています。　

消化器内科専門医による1泊2日のポリープ切除入院が半数以上を占めています。壮年世代の方も多いため平均年齢は低く、平均在院日数も少なくなっています。　また胆嚢・胆管結石、胆管炎に対しての内視鏡的手術も多く行っています。

様々な疾患から寝たきりとなり経口摂取不良となる高齢者が増加しているため、胃瘻造設・ポート造設などの医療行為も増加傾向にあります。

狭心症に対する「経皮的冠動脈ステント留置術」・「経皮的冠動脈形成術」,下肢閉塞性動脈硬化症に対する「四肢の血管拡張術・血栓除去術」が主な手術となりますが、急性心筋梗塞に対してもオンコール体制による迅速な手術を行っています。

今年度は痔核に対する手術、下肢静脈瘤に対する大伏在静脈抜去術が上位を占めていますが、昨年には上位に入らなかった腹腔鏡下胆嚢摘出術が増加傾向です。

転倒による骨折が多数を占めるため、下肢骨折症例が上位になっています。また腰部脊柱管狭窄症に対する脊椎固定術、椎弓切除術の件数も昨年より増えております。術後のリハビリが重要となりますので、回復期リハ病棟に転棟することが多く入院日数は長くなります。

現在泌尿器科ではレーザーを使用した低侵襲手術が主流となっています。　前立腺切除・結石除去など患者様の負担が少なく早期回復が見込めるため、入院期間も短くなりました。

センシティブな婦人科疾患ですが、年齢・症状などを勘案したうえで最適な治療を行っています。　子宮全摘に至る前に早期での手術となるよう早期発見に努めています。

土日も手術可能な体制をとっており、患者様の予定に合わせて施術が出来ることが、当院の大きな特徴となっています。　術後は病棟で経過観察を行ったうえで退院していただきます。　また、出血が見られた場合は迅速に止血術を施行するなど、万全な対応に努めています。